アンダーグラウンド〜村上春樹が取材した地下鉄サリン事件〜

以前作った別のブログからの引用。

 

(以下引用文)

 

オウム真理教地下鉄サリン事件について、大きな波紋があった。

 

そのときについ手を取って無性に読みたくなった本がある。

 

それが村上春樹氏の「アンダーグラウンド」だ。

アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

 

これは小説でもなく、エッセイでもない。

 

取材した記録である。

 

何を取材したのかというと、地下鉄サリン事件についての関係者の記録だ。

 

ちなみにこの続編は「約束された場所で」だ。

 

約束された場所で―underground 2 (文春文庫)

約束された場所で―underground 2 (文春文庫)

 

アンダーグラウンドはとても分厚い本で、単純に読破するのはなかなか骨が折れる。しかし、読み始めてしまうと止まらない。同じく村上春樹氏の小説で「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだときに、ページをめくるのがとまらない経験をしたことがあるが、ただ読後感はだいぶ違う。アンダーグラウンドを読んでいるとき、読み終えたときはやはり胸に何か重い物がのしかかったような気分になった。

 

とにかく著書のコンセプトは「ノンフィクション」。村上春樹氏の前書きと後書きはあるが、基本は取材の言葉を忠実になぞっている。氏の主観も入っていない。いつものファンタジーを期待した人は拍子抜けしてしまうかもしれないが、それでも一読の価値は十分ある。いや、不謹慎であるが作品としての完成度は相当高い。

 

氏が知りたかったのは、テレビでも新聞でも週刊誌の情報でもない。

 

「1995年3月20日の朝に、東京の地下でほんとうに何が起こったのか?」という真実だった。

 

★★★

 

先ほど紹介した「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」では「やみくろ」という東京の地下に潜んでいる悪組織が出てくる。「1Q84」では「さきかげ」という宗教組織が出てくる。また、そもそも氏の著書はよく「井戸」が出てくる。人間の心の自分でもわからないような最も深いところ表現した比喩だ。

 

今回紹介する著書も題名が「アンダーグラウンド」。地下鉄サリン事件について根本的な原因まで追求したい想いが伝わる。

 

★★★

 

とにかく内容はわかりやすい表現で淡々と進む。実際に、本に出てくる駅や電車を使っている人はもっとイメージがしやすいかもしれない。

 

関係者は様々だ。乗客、駅員、たまたま出くわした人、それぞれの立場で語っている。読んでいくと、だんだん時系列がつながってきて、それがリアルでまた切なくなる。例えば、ある乗客が「駅員の対応がモタモタしている」と証言した際、その駅員の証言では「その時、すでに体調が悪くなっていた」とつながる。(この表現はあくまで例です)

 

オウムが憎い、死刑にしろ、生きててよかった、確かにそのような証言もあるが、それを全面に押し出すような本ではない。

 

とにかく淡々と淡々と、「1995年3月20日の朝に、東京の地下でほんとうに何が起こったのか?」が続いていくのだ。

 

もう数年も前の出来事だが、今またオウム真理教のことで世間が動いてきた。

 

だからこそ、ぜひこの著書をぜひ一読してほしい。

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